機動戦士ΖガンダムⅡ−恋人たち−
某氏兄弟とご一緒していつものシネコンで見た。
先日も書いたが、519席の最大スクリーンでの上映に否が応でも期待は高まる。
観客の入りはまずまずで、最終的にはおおよそ8割以上は埋まっていたのではないかと思う。*2
で、内容はというと結論から言ってしまうと不満の残る出来と言わざるを得ない。
盛り上がりどころが散漫してしまっており、まさに『TVシリーズのダイジェスト』から脱却出来ていなかったように感じられる。
この辺はおそらく誰もが思うだろうが、3部作の2作目の宿命というか、どうしてもブリッジ的な作りにならざるを得なかったという事なのだろうか?
正直なところTV版Ζは「恋人たち」に該当する話数*3あたりからきちんと見るのを止めてしまっているので、脳内で補完することが出来ずに鑑賞中頭の上に「?」が何度も浮かんでいるような状態だった。
勝手な事を言ってしまえば、いっその事ロザミアのエピソードをばっさりカットしてしまい、代わりにフォウをそのポジションに据えてしまうという構成でもストーリーがシンプルになって良かったのではないかと思う。*4
そうすればもう少しフォウのエピソードに時間を割くことが出来ていたのではないだろうか?
ただでさえ登場人物が多いのにそれぞれに見せ場を作ろうとすると、90分程度の尺ではどうしても中途半端になってしまってファンサービスのためにちょっとだけ顔を出したのか?と勘繰ってしまいたくもなる。*5
まあそうは言ってもこのような構成になったのは、御大の考える事なのできっと深い意味があったのであろうが。
絵の方に話を移すと、新作部分は前作同様に美麗で満足いくものだった。
ただ前作と比べて戦闘シーンに旧作部分が多く混入されていた為に、どうも受け手としては物足りなさを感じてしまった。
前作の大気圏突入シーンやギャプラン&アッシマー戦のような戦闘シーンを期待していただけに、どうしても新旧の作画のギャップが気になって仕方がなかった。*6
更に残念な事は割と重要となるシーンで旧作部分が多用されていた事だ。
ビル屋上のフォウとカミーユのやり取りや、サイコのコクピット内での2人の会話(のラスト)、サラのエピソードの大半*7などが新作画だったらと思うと本当に残念でならない。
それとΖが妙にマッチョに見えたんだが気のせいだろうか?
Ζと言えば非常にスマートなシルエットのMSというイメージがあるのだが。
声の方に話を移そう。
公開前からマイナスの話題になりがちだったフォウの声の変更について敢えて言及してみるが、違和感は特に感じなかった。
これは自分が声優に対して思い入れがないというのも原因の一つであるとは思う。
島津冴子女史のフォウに強い思い入れのあるファンからすればけしからんという事なのだとは思うが、ゆかな嬢は新しいフォウをそつなく演じていたのではないだろうか?
正直一回見ただけなので演技の良し悪しまでは判断しかねるのもまた事実ではあるのだが、サラ役の池脇千鶴嬢と比較すれば「上手」と言って差し支えは無いと思う。*8
まあ常々声優と俳優(女優)は演技法が違う*9と思っているので、このような印象を持つのも仕方がない事なのかも知れないが、これも最終的には御大の決めた事なので、外野があーだこーだと騒いでみてもどうする事も出来ないけれども。
これらをまとめると、期待が大きかった分粗が目に付きすぎてしまったと言う所だろうか。
ただ繰り返し見る事によって感想も変わってくるのではないかとも思うので、もう一度(出来れば二度三度でも)見たいとは思う。
カミーユだけにとどまらずベルトーチカもマイルドになってるみたいなので再度の鑑賞にも(自分の方が)耐えられそうだし。(笑)